IVA読書会 chap02-sect04 宿題
No.5
問題:
単項イデアル I=⟨xα:α∈A⟩ について、発生しうる全ての指数の組の集合を S とする。
どのような単項式順序 > に対しても、S の最小の要素が A に含まれることを示せ。
単項式順序は、その定義(2章§2 定義1)から整列順序であるから、任意の空でない単項式の集合は最小元を持つ。
α∈S から S は空集合でないので、ただ一つの最小元を持つ。これを γ∈S とする。
このとき、S の定義から xγ∈I であるため、補題2 より xγ は xα で割り切れ、適当な β∈Zn≥0 を取って xαxβ=xγ が成立する。
従って、α+β=γ∈S
γ は S の最小元であるため、β=0,γ=α∈A
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No.11
a)
Exercise2-4-12.pdf を参考に解いた。
問題:
系6 を使って、ウェイト順序 >u が単項式順序であることを示せ
(ヒント: u1,…,un が線形独立であるという条件をどこで利用するか?)
単項式順序の定義に従って示す。
i) 全順序性について
u∈Rn>0, α,β∈Zn≥0 より、 u⋅α,u⋅β∈Rn≥0
従って、
- u⋅α>u⋅β
- u⋅α=u⋅β
- u⋅α<u⋅β
のいずれか 1つのみが成り立つ。
これらはそれぞれ α>uβ, α=uβ, α<uβ に対応するので、>u は全順序である。
ii) 和による順序の保存について
α>uβ,γ∈Zn≥0 とする。
u⋅(α+γ)=u⋅α+u⋅γ より、u⋅α>u⋅β⇒u⋅(α+γ)>u⋅(β+γ)
となるので α+γ>uβ+γ が示せた。
iii) 整列順序性について
u は正、かつ Q 上で線形独立であるため、u⋅α=0 となる α∈Zn≥0 は 0 だけである。
従って
α=0⇔u⋅α=0α≠0⇔u⋅α>0
が成り立つ。
これにより ∀α∈Zn≥0,α≥u0 が示せたので、系6 より、>u は整列順序である。
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b)
(1,√2) が有理数体上で線形独立であることを示す。
a⋅1+b⋅√2=0 を満たす a,b∈Q を考える。
この場合、a=−b√2 と変形可能で、これは a=b=0 の場合にのみ成立する。
従って (1,√2) は有理数体上で線形独立。
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c)
(1,√2,√3) が有理数体上で線形独立であることを示す。
a⋅1+b⋅√2+c⋅√3=0 を満たす a,b,c∈Q を考える。
a+b√2+c√3=0⇔a+b√2=−c√3⇒a2+2ab√2+2b2=3c2⇔2√2⋅ab=3c2−a2−2b2⇒ab=0⇔a=0 or b=0
a=0 の場合、b√2+c√3=0⇔b=−c√32⇒b=c=0
b=0 の場合、a+c√3=0⇔a=−c√3⇒a=c=0
以上より、a⋅1+b⋅√2+c⋅√3=0⇒a=b=c=0
従って (1,√2,√3) は有理数体上で線形独立。
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